AIによって未来が過去に規定される
AIによって未来が過去に規定されるのではないか。別の表し方をすると,過去に囚われすぎた未来が訪れるのではないか,と最近思っています。
原因は,今のAIは過去の大量のパターンから法則性を見つけることによって成り立っているからです。人間の行動は一定のパターンに分類できる,ということもできるでしょう。
例えば,ECサイトでは,過去の自身や他者の大量の閲覧・購入履歴によって,新しい訪問者にリコメンドする商品を決めています。新しい訪問者(未来)は,閲覧・購入履歴(過去)によって,作られています。
もし,この過去の情報によって未来を推薦するシステムのみが存在するならば,一生過去の再生産になるのではないでしょうか。
別の例では,AIを使った在庫調整が考えられます。必要な在庫の予測で,余剰在庫は減るかもしれません。しかし,それは単に在庫が不足しているだけかもしれません。また,不足している状況が生まれないと,その後のAIの予測ができなくなってしまいます。
書いていて考えが整理されてきましたが,「AIが作り出した状況をAIの学習に使えない」ということです。
StableDiffusionとか,Midjourneyとかの画像がネットに溢れると,今後の生成モデルの学習はどうやるのか,と同じ問題ですね。
コメント
コメントを投稿